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ありがたき哉 日本語化:ほとんどカードで無人島サバイバルを表現。道具も食料も場所もカードな「Card Survival: Tropical Island」をご紹介
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印刷2024/03/13 08:30

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ありがたき哉 日本語化:ほとんどカードで無人島サバイバルを表現。道具も食料も場所もカードな「Card Survival: Tropical Island」をご紹介

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ありがたき哉 日本語化」は,ここ最近で日本語対応となった海外作品を良い機会だからあらためて紹介しようという,フワッとしたコーナーです

 「無人島サバイバルのゲームは好きだけど大抵は3Dで三人称視点だしな。もっとシンプルなビジュアルのゲームがあればなぁ……え? ある? 全部カード!? うそつけ!!」という人は,今回紹介する「Card Survival: Tropical Island」を遊んでみるといいかもしれません。これがそれです。

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 Card Survival: Tropical Islandは,南海の孤島でたった一人,サバイバルを繰り広げるというゲームです。それだけだと普通ですが,本作はなんと,道具や食料,果ては“場所”までも,カードで表現しているんですよね。
 本作のPC(Steam)版が最初にリリースされたのは2021年8月で,フルリリースが2022年9月,そして2024年2月に,日本語対応の完了が報告されました。ありがたき哉。Steamレビュー(全てのレビュー)は本稿執筆時点で“圧倒的に好評”となっています。スマホ版(iOS / Android)もありますよ。

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※下はプレイアブルデモ(日本語非対応)です


画面の大半をカードが埋め尽くす


 Card Survival: Tropical Islandは,イギリスを拠点とするインディーゲームスタジオ・WinterSpring Gamesが開発したタイトルです。「Card Quest」Steam※外部リンク)という,やはりカードをフィーチャーしたダンジョンクローラーを手がけたスタジオで,次は“Card Survival”のファンタジー版「Card Survival: Fantasy Life」の制作に入っているみたいですね。
 なお本作の日本語翻訳はKurono Studios(公式サイト※外部リンク)となっています。発表(Steam※外部リンク)では,とくに同スタジオのSam L. Kurono氏(@kurono_studios X※外部リンク),同スタジオで活動するフリーのHishiai氏(@hishiaiTown X※外部リンク)の名前を挙げて,感謝が述べられています。いやあ,ありがとうございます(これは筆者からです)。


 本作でプレイヤーは,用意された,または自分で作ったキャラクターで,南海の孤島での生活に挑みます。飢えや喉の渇き,暑さ,寒さ,汚れ,怪我,病気,メンタル不調,虫,めんどくさい動物など,ありとあらゆる状況に対応しながら身の回りの環境を整え,行動範囲を広げていくのです。島の脱出もしくは島での永住を視野に入れ,できるだけ長く生き延びるのが目的ですね。
 ゲームを始めると0日目から,生き延びた日数がカウントされます。状況はオートセーブで保存され,死んだら最初から。ただし「セーフモード」で始めると,現時点の1日(たとえば12日目なら12日目)を最初からやり直すこともできます。

 前述のとおり本作の最大の特徴は,サバイバルにおける道具や食料,場所(ロケーション)といった要素を,すべてカードで表現している点です。

なんというか,思い切ったビジュアルですよね
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 ……といっても,いわゆるカードバトルゲームような,デッキやコスト,ターンなどの要素はありません。物や場所をカードで表現することで,ビジュアルと操作のインタフェースを簡素化したという感じですね。

 これによって,カードをクリックして表示されるメニューを選んだり,カードをカードへドラッグ&ドロップしたりするだけで,物を削る,中身を取り出す,すりつぶす,火をつける,火にくべる,水に浸す,穴を開けるなど,オブジェクトごとに設定されたさまざまな動作を行えます。「まさにオブジェクト指向!」という感じでしょうか。あ,違いますか。まあそれはさておき,とにかく操作に関して覚えることが非常に少ない,つまりはとっつきやすい作品に仕上がっています。

ドラッグ&ドロップが基本です
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画面ではさっぱり分からないと思いますが,本作は雰囲気が良さも見どころです。波音,雨音,キャンプファイヤーの火のはぜる音とった環境音,体調が悪くなった時の心音などと,最低限の音だけでゲームは進行します
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全力で体調を整え,保つ


 プレイヤーが選べるキャラクターは複数用意されていますが,ここでは最初から選べる「ハンター」さんを例に,サバイバルの流れとポイントをご紹介しましょう。

ちなみに,用意されたキャラクターはそれぞれ,島に来た理由などの背景設定や,場所やシチュエーション,パーク(能力やスキルのようなもの)が異なります。各キャラクターは,生き残った日数に応じてもらえるポイントを溜めることで,アンロックが可能です
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カスタムキャラクターも作れます。クレジットのキャラクターアート項目に「Midjourney」とあったので,本作のキャラクターポートレートはAI生成なのでしょうね。ポートレートは画像を読み込んで設定することもできます
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 キャラクターが島(ハンターの場合は海辺)に降り立った段階では,やれることはほとんどありません。とりあえず画面の左側に表示されているキャラクターの体調を見ると,すでにやや空腹で,喉も渇いています,と。これをどうにかするために周辺をうろうろして,飢えと渇きを満たす方法を探ります。ほぼ手ぶらなので,「ココナッツ」を拾ったり,「石」を拾ったりするぐらいですが。

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 ココナッツは飢えと渇きの両方を満たせる,最序盤の重要な食料です。これを食べられる状態にするために,たとえば石を石または「重い石」と組み合わせて,「尖った石」を作ります。これでココナッツを剥き,穴をあけて「ココナッツ水」を飲み,そのあとは割って果肉を食べることが可能となります。残ったボウル状の殻は,雨水を溜めたり,海水をすくったりするのに使えますね。この要領で,「木」を入手して石と組み合わせて「石の斧」を作ったり,石と木,さらに「枝」を組み合わせて「キャンプファイヤー」を作って火を扱えるようにしたりして,できることを増やしていきます。

ココナッツは序盤の重要な食料であり,水分です。優秀な下剤でもあったりして,トム・ハンクスさん主演の映画「キャスト・アウェイ」を思い出しますね
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プレイヤーのステータスはかなり細かく確認することができます
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 火を扱えるようになれば食料問題は大幅に改善しますが,引き続き,水分の安定的な確保には頭を痛めますし,睡眠の質を高めるために,寝床を作る必要も出てくるでしょう。そのほかにも怪我や病気,悪夢を見て不愉快になるなど,体はさまざまなシグナルを発してきます。これらに対応して体調を保ちつつ,安定した生活を送れるように行動するわけです。

生き延びるためには,やはり火の存在が欠かせません
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まずはジャーナルに従っていけば,やれることはだんだんと分かってくるでしょう
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体が発するシグナルをしっかりと認識する必要があります
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コツを掴むまでは“死にゲー”かもしれません
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時間の管理が重要。研究とスキルの要素も


 プレイヤーが行う行動には,そのすべてに所要時間が設定されています。ココナッツの皮を剥ぐのに15分,石を削るのに1時間,粘土を元に作った皿を焼いて仕上げるのに3時間――といった具合ですね。このようにして時間が進み,夜になれば眠くなるので寝て,また次の日に活動を始めます。
 裏を返すと,プレイヤーが何かの行動をしない限り,時間はまったく進みません。つまり,リアルタイムの要素はありません。

ヤシの織物とヤシの葉で「編みかご」を作るだけでトータル2時間ですからね。1日なんてあっというまです
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寝ている間ももちろん時間が経過するので,お腹が減るうえ,喉が渇きます
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 このように行動で時間を消費する仕組みであること,また食料を始めとした所有物は時間の経過で状態が変化することから,プレイヤーが「何をどのタイミングでどの程度行うか」という時間の管理は非常に重要です。

 たとえば,あと数分で焼き上がる料理をしている間に1時間かかる木の伐採などの行動を行ったりすると,料理は焦げてしまいます。お椀のような形状の物に水を溜めておくと少しずつ干上がっていきますし,穴をあけたココナッツに注いでおけば干上がりはしませんが,ココナッツ自体の腐敗が進み,使い物にならなくなります。暗くなって行動しにくくなるまでにより多くの成果をあげるように時間の使い方を考えるのが,本作の難しいところであり,面白いところ(腕の見せどころ)でもありますね。

これは雨の日で,ココナッツの殻や泥から作ったお皿に水を溜めているところです。時間の経過と共に溜まっていきます
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 そんなサバイバルを効率化する要素として,「研究」「スキル」という要素があります。

 本作では「設計図」メニューから,すでに持っている設計図を基に物(アイテム)を作れるほか,研究によって新たな設計図を入手できます。研究の項目はベース(住まい関連),道具,狩猟,仕立て(衣料品など),金属・粘土,料理,治療,農業の8つです。

 物(たとえばA)の設計図の研究は,Aのキーとなる物を手に入れた時に可能になります。たとえば動物から皮を剥いで肉を削ぎ,それを乾燥させて「硬化させた皮」を手に入れたら,関連するアイテム「皮の水筒」「サッチェル」などの研究がアンロックされる――といった感じですね。

「何も研究してない時間」を作らないのもポイントです。これがまた,かなりの頻度でうっかり忘れるんですよ
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設計図はアンロックされたタイミングで,画面に「ボンッ!」と表示されます
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 スキルに関しては,最初はそれほど意識する必要はありません。なにかしらの行動をすれば,それに紐付いたスキルが向上していきます。「釣り」をすれば釣りのスキルが上がる――といった感じです。スキルを高めことで,たとえば「石工」なら新たなレシピをアンロックできる,釣りであれば成功率と魚の質が上がる――といった仕組みとなっています。

ジワジワとスキルが向上していく感じもたまりません
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状況に対応しながらも,主体的に行動する


 無人島生活では,臨機応変に現在の状況に対応する必要があります。ただそんな中でも,「準備ができたら○○を探索しよう」,あるいは「リソースに余裕があるから内職のような行動を増やして拠点を充実させよう」など,自分で目標を立てて行動するのが面白いんですよね。

まだ見ぬ(見えるけど)設計図を眺めてテンションを高められます
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 また,確保した食糧の鮮度や水の量の減りや道具の耐久度を常に意識する,火にくべた物が焦げないように適度な所要時間の行動を選ぶ,研究を怠らないようにする,設計図から新たなアイテムを作るための素材を集めるために午前中の涼しい時間のうちに探索を行って――のように,考えることは多岐にわたります。複数のタスクを整理しながらこなすのが好きな人は,かなり楽しめるんじゃないでしょうか。

 もちろんこのように難しいことを考えなくても,本作は,「偶然手にれたこれ(物),すりつぶすとどうなるんだろう?」とか,「おお,これはこうすれば食べられるのか」みたいな試行錯誤の楽しさと達成感を多くのタイミングで味わえるゲームでもあります。画面をみて,興味が湧いたという人は,ぜひ試してみてください。

適当なアイテムを釣り糸にドラッグ&ドロップしてみて「ああ,貝って食べるだけじゃなくてエサにできるのか。まあそりゃそうか」みたいな
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ヘルプとして用意されているサバイバルガイドを眺めているだけでも楽しいですよ
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