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印刷2024/02/15 08:00

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パワプロはなぜ人々を熱狂させ続けるのか。その道のりをテーマとしたNHK「ゲームゲノム」Season2「パワフルプロ野球」回をレポート

 ゲームを文化として捉え,名作の魅力を深堀りするNHKの教養番組「ゲームゲノム」。2024年1月に放送がスタートしたSeason2の第6回が2月14日に放送された。今回取り上げられたゲームは,パワプロの愛称でおなじみの「パワフルプロ野球」だ。

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 1994年にシリーズ第1作「実況パワフルプロ野球'94」がスーパーファミコン用ソフトとして登場してから,今年(2024年)でちょうど30年。実在する球場や選手,そしてプロのアナウンサーによる実況を取り入れ,プロ野球のリアリティを追求してきたKONAMIの野球ゲームシリーズは,どのような思いで制作され,人々を熱狂させ続けているのか。

 番組では「熱狂へ至る道のり」をテーマに,MCの三浦大知さん,空気階段の水川かたまりさん,パワプロシリーズのクリエイターである豊原浩司氏と池本健二氏が,3つのキーワードからパワプロのゲームゲノムを探った。

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心を宿した2頭身キャラクターが生み出すリアル


 1つめのキーワードが「2頭身が宿した“心”」だ。左右だけではなく高低差も表現された投球システムに,バット(ミートカーソル)の当たりどころやタイミングによって変化する打球表現。そしてタイトル名にもなっている,実際の野球中継を担当するプロのアナウンサーによる実況と,野球のリアルを追求して作られたパワプロだが,しかし選手はリアルとはかけ離れた2頭身のキャラクターである。

※2020年7月発売「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」以降,タイトル名から実況がなくなった

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 そんな,ゲームの仕組みとの矛盾すら感じる2頭身のキャラクターだが,しかし2頭身だからこそ,リアリティを生み出す工夫を詰め込むことができたという。
 その工夫とは,大きな頭で表現する選手の心理描写。たとえば投手であれば,1塁に走者がいる場面では,盗塁を警戒するように投手の視線が「チラッ,チラッ」と細かく動き,打者であれば,際どいコースがストライクになったときに審判を見て不満を訴える。また守備の場面では,一見何気ない内野ゴロでも,塁に走者がいる場合はそちらの動きを確認するようなそぶりを見せる。大きな頭(顔)の2頭身キャラクターだからこそ,場面やポジションよって変化する選手の心理を表情で分かりやすく表現できるのだ。

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 プレイヤーを手に汗握る勝負の世界へと誘ってくれるそれらの描写は,企画時点から狙って制作されたのか。第1作で企画やプログラムを担当した豊原氏は,2頭身は野球をするには不向きな体形だと感じ,当初は実写風のリアルキャラクターがいいと考えていたという。
 だが,いざ作り始めたところ,いい面も見えてきたそうだ。そのなかで1番大きかったのが,まさに1つめのキーワードで語られた大きな頭での表現だった。「選手が今関心があるものを見る」というプログラムを組んだところ,「頭が大きくて視線がどこに向いているか分かりやすい」「『何かを見ている』という仕草で緊張感を生み出せる」という点を感じたという。さらに,「何かを考えている」「生きている」という表現――“人間の生命感”を出せることにも。

左から豊原浩司氏と池本健二氏。1作目から開発に携わる豊原氏は番組冒頭,「最初はプログラマー3人しかいなかった。それから30年も野球ゲームを作り続けることになるとは想像もしなかった」と,30周年を迎えるパワプロシリーズへの思いを語った
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 これを受けて水川さんは,「ちょっとここは,大嘘にした方が1個リアリティにつながるというか。あんまり現実現実しすぎると,逆にちょっと嘘っぽく見えちゃう部分もある」と,コントの表現でもそれに近いことがあると話した。

「延べ4000時間はプレイしている。パワプロとともに生きてきたような人間」とパワプロ愛を語った水川さん。メガネもパワプロのキャラクターの1人である矢部君(矢部明雄)仕様
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一瞬の勝負を輝かせる個性はさまざまな考えから生まれる


 2つめのキーワードは,「一瞬の勝負 輝かせる“個性”」。野茂英雄選手のトルネード投法やイチロー選手の振り子打法,松田宣浩選手の熱男,前田健太選手のマエケン体操など,パワプロシリーズでは選手固有のフォームやパフォーマンス,動きなどで個性を表現している。

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 そういった選手の個性を生み出すうえで重要なものが特殊能力だ。特殊能力は,パワーや守備力,走力といった基礎能力とは別に用意された,特定の条件で発動する能力のこと。走者が得点圏にいると打力が上がる,変化球のキレがいいといったプラスの能力があれば,2ストライクに追い込まれると三振しやすくなる,試合序盤の立ち上がりが悪いといったマイナスのものもあり,それらの組み合わせによって選手の特徴と個性が生み出されている。

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 そしてそれは,実際のプロ野球選手の特徴や試合で起きた出来事によっても追加されてきた。
 その1つが,ミートカーソルの動く範囲が通常より広がり,ボール球でもヒットにできる悪球打ちだ。1999年6月12日,甲子園球場で行われた阪神×巨人戦の延長12回,現在は北海道日本ハムファイターズの監督としておなじみの新庄剛志選手(当時阪神)が,槙原寛己投手の敬遠球を打って阪神がサヨナラ勝利を決めた試合がきっかけで誕生した。こうして,さまざまな形で追加されてきた特殊能力の数は,最新作「eBASEBALLパワフルプロ野球2022」ではなんと252種類に及ぶ。

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 では,実際にゲームのキャラクターとして能力を“査定”をされる選手たちは,パワプロの能力付けをどう受け止めているのだろうか。中日ドラゴンズのエースとして数々のタイトルを獲得し,メジャーのマウンドにも立った元プロ野球選手の川上憲伸氏がVTRで出演し,“パワプロに対する本音”を語った。

 現役時代,バッティングも得意な投手として知られていた川上氏は,本業の投手だけでなく野手としての能力もしっかり評価されていることに高い取材力を感じたという。また,1軍である程度活躍しないと特殊能力まで評価されないため,細かく能力が設定されることは,(それがマイナス能力であれ)プロとして認められるようになったという指標にもなると話す。
 そして全盛期を過ぎて落ちていく能力値は,「自分もそろそろか」「もう1つ頑張るか」の選択にも関わるものになり得る。それらの締めとして川上氏は,「いいも悪いも『パワプロ』は人の人生を左右する」と語っていた。

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 プロ野球のリアルを追求するうえで,選手の個性を忠実に描くことは重要だが,実際に活躍している選手をデータ化することはそれ相応の苦労があるようだ。たとえばパワーや走力であれば,打撃の結果や走塁,盗塁の結果からある程度のデータが出せるが,肩力や守備はなかなかそうはいかない。この能力査定の場でも,各球団の担当が選手をアピールしあう,試合のごとき“熱狂”が巻き起こっているという。

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ランダム要素と“想像できる余地”がドラマ性と熱狂を生む


 3つめのキーワードは「成功(サクセス)のカギを握る“泥臭さ”」。メインのプロ野球の要素と並ぶパワプロの特徴であり,シリーズの人気を不動のものとした「サクセス」が持つ“リアル”についてだ。

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 サクセスモードにて選手作成(育成)を成功させ,選手をプロに送り込む(ゲームで使用できるようにする)には,ただ練習メニューをこなして選手を強くし,試合で活躍すればいいだけではない。ときおり発生するランダム性の高いイベントによってその道のりは険しくなり,またそもそも試合に出るためには球拾いなどをして監督の評価を得なければならない。刹那ではなく,そこに至る道のり――檜舞台に立つまでの長く泥臭い過程のすべてが,サクセス選手一人ひとりのドラマを生む。

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 続いて「想像が生む 唯一無二の感動」をキーワードに,サクセスの泥臭さ,筋書きのないドラマをより強く感じられる「栄冠ナイン」をとおし,想像できる余地によってドラマ性と熱狂が生まれるパワプロの魅力が伝えられた。

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 「栄冠ナイン」は,パワプロを代表するモードの1つだ。プレイヤーは高校野球の監督となり,全国制覇という名の栄冠を勝ち取るべく個性豊かな部員たちを育て,試合では要所で指示を出しながら勝利を目指す。
 監督ができることは,日々の練習メニューの選択や試合での指示出しのみで,選手を操作することはできない。試合中にセンター返しを指示してもそれが長打になることがあれば,打たせて取るピッチングがハマったと思ったら野手のエラーで思わぬ失点をすることもある。サクセスと同じく,このランダム性が熱狂を生むというのだ。その例として,ゲームゲノム高校(通称ゲノ高)のプレイが紹介された。

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 ゲノ高は,野球部創立2年の,まだまだ部員も少ない弱小校。このチームの中に,1人だけベンチ入りの叶わない選手がいた。新入生の外野手・加藤だ。バッティングに光るものはあるが,守備力や走力が低くフライもまともに取ることができない。
 長所を伸ばすべく徹底したバッティング練習に挑む日々。決して腐らず,雨の日でも一心不乱に練習に打ち込む姿がそこにあった。

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 そして迎えた3年の夏。日頃の努力と鍛え抜いた打撃を買って,監督(プレイヤー)は加藤を四番に抜擢。監督の引っ張り指示に応えて逆転スリーランを放つといった活躍を見せ,初の都大会ベスト4進出をけん引する。あと2つ勝てば甲子園だ。

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 緊張の1戦では,あれだけ守備が苦手だった加藤が,センターのエラーをすかさずカバーするという,プレイヤーが予想だにしなかった光景が。そして3点を追いかける形で迎えた9回裏,スリーランが出れば同点という場面で加藤が打席に立つ。初めて四番を任せられたあのときのような状況だ。監督は加藤を信じ,引っ張りを指示。しかしその当たりは高いバウンドでセカンドのグラブに収まりゲームセット。夏は終わった。

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 雨の日の練習のテキストも,センターのエラーをカバーしたシーンも,あくまでゲーム上のシステムであり“偶然”と言える。しかしそれらの偶然が,プレイヤーの見方によって大きなドラマとなる。ときは経ち,卒業を迎えた加藤。プロ入りは叶わず大学に進学した彼は,果たして大学でも野球を続けてプロを目指すのだろうか。ゲームの持つランダム性が,こういったプレイヤーの想像を描き立てるドラマと熱狂を生むわけだ。

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 水川さんは,「例えばものすごくすべった日でも『でもすごい精神ポイントを手に入れた』という捉え方をするとか,生活のなかでの,ちょっとしんどいことがあったときの振る舞い方や考え方を学んだゲーム」と語る。水川さんと同じく,パワプロに出会ってから,自分の人生をサクセスとして捉え,それによって救われた/乗り越えられたことがある人も少なくないだろう(ちなみに筆者もその一人である)。

ほかにも,大オチを持っていく芸人に「『満塁男』付いているな」,ベテラン芸人に「やっぱり『威圧感』あるな」といったように,お笑いの仕事のなかでパワプロに見立てた考え方をすることがあるという水川さん。このあたりに共感するパワプロファンも多いはず
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 サクセスモードの制作や栄冠ナインの誕生に深く関わっている池本氏は,「『想像できる余地』というものが,ゲームの面白さになっているのではないか。ユーザーのなかから湧いてくる思いや,想像力を引き立てる遊びというものは,用意されているものよりも強く,そして面白く感じられるものではないか思っています」と,パワプロの育成モードの魅力について考えを語った。

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 豊原氏は「パワプロが面白いんだとすれば,それはやはりプロ野球が面白いから。人間だからミスをするし,そういう風にして出たランナーを大事に,泥臭くなんとか点に結びつけようって必死にプレーする。それが野球の面白さではないかと思いますし,そういう泥臭いところを表現したい」と,プロ野球の持つ面白さや選手たちの人間性がパワプロを面白くすると話す。

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 司会の三浦さんも,「(野球に限らずいろいろなエンターテイメントで)熱狂している瞬間にどうしてもフォーカスが行きがちではあるじゃないですか。でも,その熱狂に行くまでにはいろいろなドラマやストーリーがあって。パワプロシリーズは,それをいろいろなモードや方向から体験させてくれる/気づかせてくれるのかな」と,最後に今回の感想を述べた。

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 三浦さんが話したように,パワプロにはただリアルのスポーツ競技をゲームで遊ぶのではない,プレイヤー自身の心を打つ何かが返ってくる。それは今回語られた,自身で想像して描くドラマやストーリーなどさまざまな形があると思う。パワプロを取り上げた「ゲームゲノム」Season2の第5回は,普段プレイしているときにはあまり気がつかなかったその“何か”を考えるきっかけとなる回だった。

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[ゲームゲノムSeason2 放送日程]
 2024年1月10日 放送開始(全10回)
 毎週水曜日 23:00〜23:29/NHK 総合(予定)
※「NHK プラス」で1週間見逃し配信あり

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