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ネクソンは,今年が勝負の年となるか。韓国本家が,組織や人事の大改編で会社を強化中。「アラド戦記」や「デュランゴ」の新作にも期待がかかる
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印刷2024/04/17 09:00

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ネクソンは,今年が勝負の年となるか。韓国本家が,組織や人事の大改編で会社を強化中。「アラド戦記」や「デュランゴ」の新作にも期待がかかる

下記の記事は,GAMEVU(→リンク)に掲載された記事を,許可を得て翻訳したものです。可能な限りオリジナルのまま翻訳することに注力していますが,一部,画面写真などを変更したり,文化的な背景などで理解されづらいものについては日本向けに表現を変えたりしている箇所があります。(→元記事

ネクソンコリア開発総括副社長兼ネクソンゲームズ社長のパク・ヨンヒョン氏
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 ネクソンコリアが,組織や人事改編で,会社の強化に乗り出している。
 最近,カン・デヒョン - キム・ジョンウクの共同代表制で新しい体制を迎えたネクソンコリア(以下,ネクソン)は,開発総括副社長として,ネクソンゲームズのパク・ヨンヒョン代表を4月15日付で選任した。これをもってパク・ヨンヒョン代表は,ネクソンとネクソンゲームズという2つの組織で開発を総括することになった。

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 パク・ヨンヒョンという名前を聞いて「あぁあの人!」と思い付く人は,そう多くないだろうが,「リネII」や「ブルアカ」,「TERA」などを作った,韓国トップレベルのゲーム開発者だ。滅多に表舞台に現れない人だが,今回時間をもらうことができたので,その様子をお伝えしよう。

[2023/12/29 12:00]

関連記事:韓国の主要ゲーム会社が,代表取締役を交代してグローバル攻略に勝負をかける


 パク・ヨンヒョン代表は,NCSOFT時代にMMORPG「リネージュ2」の開発を総括し,ゲーム業界にその名を知らしめた。その後は,チャン・ビョンギュ氏とブルーホールスタジオ(Bluehole Studio。現在のKRAFTON)を共同創業し,そこでPC MMORPG「テラ(TERA)」を開発,なお衰えぬRPG制作の力量を証明した。
 さらに2013年には,バルンソングループの投資を誘致してナットゲームズ(NAT Games)を設立した。ここではモバイルRPG「ヒット(HIT 〜Heroes of Incredible Tales〜)」を開発し,ネクソンとパブリッシング契約を締結して興行的にも成功した。2016年の大韓民国ゲーム大賞で,最高賞である大賞と人気ゲーム賞を受賞し,作品性と興行成績の二兎を追うことに成功した。

HITの世界観を伝承した新作「HIT : The World」PC / iOS / Android)も,4月17日にサービスを開始
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関連記事:2016大韓民国ゲーム大賞で「HIT」が大賞,「Tree of Savior」が2部門を受賞


 この結果を受け,ネクソンは2016年にNAT Gamesに投資を決定,2大株主の一つになり,両社間の有機的な協業の基盤を整えた。その過程でNAT Gamesは2017年にコスダック市場に上場,同年11月には,「ヒット」の次期作である収集型RPG「OVERHIT」iOS / Android)をローンチし,ここでもまたビジネス的な成功を得ている。

日本のパブリッシングはYostarが行っている「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」
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 この成果を見てネクソンは,NAT Gamesの株30%を追加で買収して子会社として編入させ,2019年に発売したモバイルMMORPG「V4」PC / iOS / Android),そして2021年に発売したサブカルチャーRPG「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」iOS / Android)が興行に成功し,記録的な成果を得ている。
 中でも2021年に発売した「ブルーアーカイブ」は,韓国や日本などグローバルなサブカルチャー市場で大成功している。「学園」「青春」「ミリタリー」をキーワードとするサブカルチャーRPGは,サブカルチャーの本場である日本でも,いまなお順調なサービスを行っている。
 発売以降,ファン層を順調に厚くしてきた「ブルーアーカイブ」は,2023年1月には初めて日本のアプリストアで売上1位を記録している。その2023年には,日本だけで最高売上1位を4回も記録し,韓国や台湾など様々な地域でも根強い人気を集めている。

 グローバルモバイル市場調査業者「Sensor Tower」は2月の報告書を通じて,サービスから3年を経たブルーアーカイブが累積売上5億ドルを達成したと発表し,最近ではアニメ「ブルーアーカイブ The Animation」が韓国や日本などで放映を始めるなど,“成功したIP”として完全に定着したという評価を与えている。

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 Yostarは本日(2024年4月15日),TVアニメ「ブルーアーカイブ The Animation」ノンクレジットエンディング映像をYouTubeで公開した。エンディング映像は,RED氏制作の楽曲「真昼の空の月」が使用され,少女たちの穏やかな日常を描いたものとなっている。

[2024/04/15 11:10]

関連記事:「ブルーアーカイブ」の世界累計収益が2.4億ドル(約323億円)を突破。2周年記念イベントの影響で,1月は過去最高の月間収益を記録

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 2021年12月にネクソンは,NAT GamesとネクソンGTを合併させ,社員1000人を超える大型開発会社であるNexon Games(ネクソンゲームズ)がスタートした。ネクソンゲームズの名前で発売されたMMORPG「HIT2(邦題:HIT:The World)」も独創的なシステムを搭載して成功し,グローバル市場を狙った新作も準備されている。
 その先陣を切るのが,2024年夏に発売を控えた新作「The First Descendant」だ。 そしてネクソンの代表IPである「Dungeon & Fighter(邦題:アラド戦記)」IPベースの「Project DW」と「デュランゴ(Durango)」IPベースの「Project DX」を開発している。
 「アラド戦記」はネクソンの看板PCアクションRPGで,2005年8月にローンチされて以来,グローバル累積プレイヤー数が8億5000万人に達する代表作だ。

NEXON Investor Relationsより
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 オープンワールドMMORPG「野生の地:Durango」も,2018年に国内をはじめとするグローバルでローンチされて以来,生涯累積ダウンロード1200万を突破していた。今回新たに副社長となったパク・ヨンヒョン氏は,いままでNexon Gamesを成長させてきて,数々のグローバルヒット作を作ってきた人物であり,そのことが,現在ネクソンで開発中の新作ゲームの方向性にどのように影響するかが注目されている。

MINTROCKET本部長ファン・ジェホ氏
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 またネクソンは,ヨンヒョン氏以外においても組織に変化を与えている。ネクソンの新規開発本部のサブブランドであり,「デイブ・ザ・ダイバー」を開発したMINTROCKET(ミントロケット)が,「ミントロケット本部」という名前に昇格して独立することになったのも,その一環だ。
 そしてこの組織の本部長として,「デイブ・ザ・ダイバー」のファン・ジェホ ディレクターが任命された。この新任本部長は,既存のMINTROCKETで開発していたサバイバルゲームNAKWON:LAST PARADISE,TCGジャンルの新作およびリアルタイム戦略シミュレーションジャンルの新作など,中小規模のゲームの開発を総括する予定だ。

ステルスサバイバルの「NAKWON:LAST PARADISE」
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 ところでNexonは,2021年から「Big&Little」を内部開発の指針として掲げ,キム・ダイフン副社長が両分野を統括して開発を導いてきた。「Little」では「デイブ・ザ・ダイバー」が大きな成果を上げたが,「Big」ではこれといった成果を出せていなかった。
 そのためNexonは,「Big」を総括する人物として,巨大開発会社であるNexon Gamesで成功を突き進んできたパク代表を,「Little」を総括する人物として「デイブ・ザ・ダイバー」を成功させたファン氏を選任したようだ。実際のところ,パク代表が率いる新規開発本部は「Bigゲーム本部」という名前に変更される予定で,これにより,「Big」と「Little」で成功の可能性を高めることに注力するという計画だ。

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 ネクソンは本日,「デイヴ・ザ・ダイバー」PS5/PS4版を2024年4月16日に配信すると発表した。本作は,メタボ気味の主人公デイヴが,昼間は海に潜って獲物を追い,夜は手に入れた食材ですし屋を切り盛りする海洋ADVゲームだ。配信同日に,PS Plusのゲームカタログにも追加が予定されている。

[2024/04/03 10:53]

 そのほか,Nexonで広報および対外政策業務を総括していたキム・ヨンデ コミュニケーション本部長は対外広報副社長を担当することになり,Nexon Networksのムン・セウォン代表がネクソンの運営副社長職を任され,ライブサービス(運営型サービス)の強化に乗り出している。また,「メイプルストーリーグループ」を総括していたキム・ガンギ ディレクターが,メイプルストーリー海外総括ディレクターを担当し,海外市場攻略に拍車をかける予定だ。
 これほどまでに大がかりな人事異動をすることで,韓国ゲーム会社初の年間売上高4兆ウォン突破のための強力な体質を作ることを目指しているのだ。(著者:パク・サンボムザン・ヨングォン

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